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ホームページ開設のお知らせ
ホームページを新たに開設しました。
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Yagi Kahori Phorography

み る Mille-Feuille ・ 言葉が作る記憶の層

どうぞよろしくお願いいたします。















# by etcaetra | 2016-06-26 00:29 | 写真まわり
八木香保里 写真展 #020 「 いつかかわっていく景色 」

八木香保里 写真展 #020 「 いつかかわっていく景色 」_b0189039_01311897.jpg




変わらないために変わる
それは
大切なものを守ることに似ている


出逢いなおしているのだろう


わたしたちは きっと
いつかかわっていく景色




・・・





好きな場所へ出向いても心が躍らず、賑やかな声は懐かしい音になり、私のなかを通り過ぎていきました。見慣れた景色が私の眼にはどんどん移り変わっていきました。「見えなくなればいいのに」と思うほど、何も見たくない時が続きました。

普通なら、こんな気持ちになれば、「写真を撮ろう」と考えないものでしょう。それでも、当時の私は「撮りたい」と思いました。「撮っておきたい」という方が正確かもしれません。辛く悲しい出来事に心を閉ざしている自分が、どのように世界を見ようとするのか。私はそれを自分の写真を通して知りたかったのです。

とにかく「気になる」気持ちに嘘をつかず、撮りたいように撮りました。臆さず写していくうちに、写真が、自分が失くしたものが集まる場所になっていくことに気づきました。温かさや優しさ、悲しみ、憂い、怒り。心境までも見える形にすることで過去の自分と手をつなぎ、今もなお写真を通して自身を捉え直しています。

視界に気になる何かが入り込めば、同じ一人の「わたし」がシャッターを切ろうと試みます。空っぽになった自分が身近な世界をどのように見つめ直すのか、初めはただそれを知りたいだけでした。レンズを撮りたいものに向けて撮る。その単純な行為が、実は、自分にレンズを向けて自分自身を撮っている、とも言えるのではないか。二年近く撮り続けながらたどり着いた答えは、私がずっと「分かっているつもり」だった意識でした。

「いつかかわっていく景色」は、2013年から撮影している写真から選び、一つにまとめたものです。植物に動物、人物、建物や床、無機質なもの。被写体に一貫性はありません。撮影時の状況や環境、感情も様々です。制作年に「継続中」と書くのは、「これを撮ったら終わり」と決心できる一枚がまだ私の手元に無いからです。記憶が蘇る光景に胸が詰まり、シャッターを切れないことがあります。そんな広がりを目の前にしても、何となしに「そうだね」と声をかけ、「またね」と再会を願いあえれば、恐らくそれが最後の一枚になるのでしょう。

写真の一枚一枚それぞれが「わたし」であり、もしかしたら、この作品に関しては、もうそれ以上特別に言うことは無いのかもしれません。私にとって「撮ってて良かった」は「生きてて良かった」と同意です。ささやかな場面の連続にこのような表現は大袈裟ですが、カメラを構えるたびに、そんな風に考えるようになりました。

今もなお「撮り続けたい」という気持ちを大切にします。それは即ち、自身を大切にすることに繋がっていくものだと信じています。


「いつかかわっていく景色」に寄せて
 2015年9月 八木香保里







・・・





八木香保里 写真展 #020
「 い つ か か わ っ て い く 景 色 」


2015年12月4日(金)-12月16日(水) 
( 平日9:30-20:00 / 土日祝10:00-20:00 / 木曜休 )

フォトカノン戸越銀座店 ギャラリー
東京都品川区戸越2-1-3
03-5498-1641
http://www.photokanon.com/

都営地下鉄浅草線・戸越駅
または東急池上線・戸越銀座駅より徒歩。
店舗は戸越銀座商店街の中(南側)にあります。




八木香保里 写真展 #020 「 いつかかわっていく景色 」_b0189039_01530741.jpg



個展DMございます。御希望の方はメッセージでお知らせ下さい。
こちらからお送りいたします














# by etcaetra | 2015-11-17 00:00 | 写真まわり
八木香保里(やぎかほり) / Kahoring

八木香保里(やぎかほり) / Kahoring_b0189039_04425594.jpg


八木香保里 (やぎかほり) / Kahoring ( かほりんぐ )
1974年 京都府京都市 出身 

文章に添えるイメージに
自分の思い描いたものを使いたい、という気持ちから
写真を撮るようになりました。

「忘れたくない景色を撮る」と
「抱いた想いを写真で表現する」の二本立てです。

フィルムでもデジタルでも撮ります。
撮りきれない想いは言葉にしています。

2016 塩竈フォトフェスティバル写真賞 2016 ポートフォリオレビュー参加
2015 KAWABA NEW-NATURE PHOTO AWARD 2015 ファイナリスト
2015 御苗場vol.17 関西 レビュアー賞ノミネート(山田眞理子・木下アツオ・橋本大和 選)
2015 Photoback Award 2014 「わたしのかぞく」 最優秀賞
2014 六甲山国際写真祭 ポートフォリオレビュー参加
2014 ナダール東京 「めざせ個展」 2014年度 グランプリ
2014 Photoback Award 2013 「わたしのおきにいり」 特別賞(EINSTEIN STUDIO賞)
2013 宝塚メディア図書館 ZINE/BOOK GALLERY! 2013 入選
2013 KPA キョウトフォトアワード2013 優秀賞(鈴木崇 選)
2013 Photoback Award 2012 「わたしの定番」 審査員賞(甲斐みのり 選)
2009 「かわいいカノン」写真コンテスト A部門 準グランプリ




● 過去の個展・グループ展・コラボレーション情報はこちらから
# by etcaetra | 2015-11-15 00:00 | わたしについて
KAWABA NEW-NATURE PHOTO AWARD 展




KAWABA NEW-NATURE PHOTO AWARD 展_b0189039_02241084.jpg



群馬県川場村で開催される「川場村ニューネイチャーフォトフェスティバル」にて、八木の「いつかかわっていく景色」の作品がターポリン展示されることになりました。KAWABA NEW-NATURE PHOTO AWARD 2015の審査を通過した16名の作家の展示です。道の駅 田園プラザ川場エリアにて、10月18日から11月15日まで開催しています。

 ●フェスティバルの詳細は、こちらからご覧ください。  
  http://www.vill.kawaba.gunma.jp/topic/img/373.pdf
 ●群馬県利根郡 川場村 http://www.vill.kawaba.gunma.jp/





KAWABA NEW-NATURE PHOTO AWARD 展_b0189039_02240191.jpg



私のノミネートNo.は07です。「八木なのに七番」と覚えましょう!(覚える必要あるの?)川場村の道の駅は有名で、テレビにも紹介されるほど人気だそうです。もしお時間ありましたら、川場村で芸術と食の秋をご堪能ください。


# by etcaetra | 2015-10-18 00:02 | 写真まわり
「いつかかわっていく景色」(御苗場関西 vol.017 出展作品)に寄せて
好きな場所へ出向いても心が躍らず、賑やかな声は懐かしい音になり、私のなかを通り過ぎていきました。見慣れた景色が私の眼にはどんどん移り変わっていきました。「見えなくなればいいのに」と思うほど、何も見たくない時が続きました。

普通なら、こんな気持ちになれば、「写真を撮ろう」と考えないものでしょう。それでも、当時の私は「撮りたい」と思いました。「撮っておきたい」という方が正確かもしれません。辛く悲しい出来事に心を閉ざしている自分が、どのように世界を見ようとするのか。私はそれを自分の写真を通して知りたかったのです。

とにかく「気になる」気持ちに嘘をつかず、撮りたいように撮りました。臆さず写していくうちに、写真が、自分が失くしたものが集まる場所になっていくことに気づきました。温かさや優しさ、悲しみ、憂い、怒り。心境までも見える形にすることで過去の自分と手をつなぎ、今もなお写真を通して自身を捉え直しています。

視界に気になる何かが入り込めば、同じ一人の「わたし」がシャッターを切ろうと試みます。空っぽになった自分が身近な世界をどのように見つめ直すのか、初めはただそれを知りたいだけでした。レンズを撮りたいものに向けて撮る。その単純な行為が、実は、自分にレンズを向けて自分自身を撮っている、とも言えるのではないか。二年近く撮り続けながらたどり着いた答えは、私がずっと「分かっているつもり」だった意識でした。

「いつかかわっていく景色」は、2013年から撮影している写真から選び、一つにまとめたものです。植物に動物、人物、建物や床、無機質なもの。被写体に一貫性はありません。撮影時の状況や環境、感情も様々です。制作年に「継続中」と書くのは、「これを撮ったら終わり」と決心できる一枚がまだ私の手元に無いからです。記憶が蘇る光景に胸が詰まり、シャッターを切れないことがあります。そんな広がりを目の前にしても、何となしに「そうだね」と声をかけ、「またね」と再会を願いあえれば、恐らくそれが最後の一枚になるのでしょう。

写真の一枚一枚それぞれが「わたし」であり、もしかしたら、この作品に関しては、もうそれ以上特別に言うことは無いのかもしれません。私にとって「撮ってて良かった」は「生きてて良かった」と同意です。ささやかな場面の連続にこのような表現は大袈裟ですが、カメラを構えるたびに、そんな風に考えるようになりました。

今もなお「撮り続けたい」という気持ちを大切にします。それは即ち、自身を大切にすることに繋がっていくものだと信じています。


「いつかかわっていく景色」(御苗場関西 vol.017 出展作品)に寄せて
2015年9月 八木香保里




# by etcaetra | 2015-10-18 00:01 | 写真まわり